電気防食について

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ブルーノア号は、2012年に小型船舶検査機構にて船舶検査に合格した日本初の大型EVヨットです。

船底掃除器具をマリーナのオーナーさんからお借りしたときに、「ブルーノア号は船舶検査から3年経過しているから、そろそろスクリューの亜鉛を張り替えた方が良いのでは?」とアドバイスを受けました。

亜鉛を張り替える理由は腐食防止のためですが、今回は電気防食についてご紹介します。

<金属の腐食と防食>

わかりやすい原理の資料がありましたのでそのまま引用いたします。

第1図に示すように3枚の表面を磨いた鉄板を地中に埋めて経過をみると、Aは全体的に錆びますがその程度はBに比べて少ない。これは自然腐食といい、鉄板表面での微小な異金属と土壌との接触による微小局部電池作用などの化学的な腐食と、バクテリアによるものであります。

 BはAよりも激しく腐食します。これは外部に直流電源があり、流入した電流が土壌中に流出するときにイオン化した鉄が溶出するからです。
このように外部の直流電源によって金属がイオン化して溶出する腐食を電食といいます。
Cは腐食せず、そのままです。これはCが電気防食を受けている状態を示しているもので、埋設金属体の電気防食としての諸対策は全てこの原理によっています。

出典:電食のはなし(公益社団法人 日本電気技術者協会)

ブルーノア号の船体はFRP(Fiber Reinforced Plastics、繊維強化プラスチック)で出来ておりますが、舵やスクリューの部分は鉄製です。

鉄は海水中に長期間つけると錆びてしまいます。しかし、鉄をはじめとした金属(金属元素)は水溶液中に溶解してイオンになる性質(イオン化傾向)がありますが、その度合いは金属によって異なります。
このような図式を中学や高校の化学の授業で習った人も多いと思います。

K>Ca>Na>Mg>Al>Zn>Fe>Ni>Sn>Pb>(H)>Cu>Hg>Ag>Pt>Au

「亜鉛は鉄よりもイオン化傾向になりやすい」(つまり、鉄よりも錆びやすい)ことと、「海水が電池の電解液である」という性質を利用し、舵やスクリュー部分の鉄と、亜鉛板を銅線で接続すると、亜鉛板だけが海水に溶け、結果として舵やスクリューは錆びずに済みます。

 

冒頭のマリーナのオーナーさんは、これに使う亜鉛板が海水に溶けてなくなっていないかどうか心配していたのでした。

 

http://global.bluenoah.info/?p=57

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